三島由紀夫のエッセイの実写版。コメディ調です。
小・中学校で習った道徳の授業、その内容に全て反抗したくなる、そんな時期もありました。
確かに全て受け入れる必要はないけれど、その中にも大事なことが沢山あったのではないかと思うようになり、結局道徳/不道徳って何?という疑問が浮かぶのですね。
坂口安吾の『堕落論』を読んだ時も思ったけれど、道徳は私たちを縛りつけるから、不道徳に生きてもいいのではないかという話ではなく、がんじがらめに囚われている規範を改めて考え直す行為そのものが重要だという話。
当たり前だと思っていた道徳を疑うことで、ああ、私不道徳だなあと思うだけの話で、道徳を持ち合わせていないと不道徳について考えることすらできないから、結局パラドックスなのだろう。
コメディの中にそんな真面目なメッセージを感じたけれど、作品としてはあまりピンと来なかったなあ。
最初と最後に三島由紀夫が登場。「檻」とは何か。真顔で残したセリフには納得。