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アナと世界の終わりのbucciaのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
2.5
『ゾンビ×ミュージカル×青春』とかつてない斬新な設定。ありそうでなかったこのジャンル、「あり」か「なし」かといえば「あり」かな。でも、なんかゾンビものとしても、あるいはミュージカルとしても中途半端なんですよ。ゾンビとミュージカルが足し算(掛け算)になってなくて、1本の映画の中に別々のジャンルが混在しているような感じで、うまく融合できていないですよ。脚本の問題なのか、演出の問題なのか、自分にはよくわかりませんがとにかく惜しい。

登場キャラの設定も甘いんだよね。元カレ役のニックなんか全然イケメンじゃないし性格も悪い。好意を寄せる幼なじみのジョンはアナをかばってゾンビ化したのに、ラストまで生き残る元カレ、普通逆じゃね。トランスジェンダーのステラは脇役ながら目立っていたけど、なぜトランスジェンダーの設定なのか。あまりその設定がストーリーに絡んでいないし、数少ない生き残りの中なぜ彼女を生き残らせたのか(車を持っているからなのか)あんまり必然性がないんだよね。

元々はライアン・マクヘンリーの短編映画『Zombie Musical』がベースになっているそうです。こちらは短編映画ながらよくできていて、一度観てみてはどうかな。ゾンビ×ミュージカルのアイデア自体は素晴らしいので、もう少し予算をかけて観てみたいな。
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