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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のtouchのレビュー・感想・評価

4.1
"これが理想的な世界?"
* * *
シリーズのフィナーレに相応わしい感動作。
脇役も含めたキャラクターの心の機微、正義・悪の二項対立ではない複雑に絡み合う関係性に物語の奥行きがある。
誰もが完璧ではない…だからこそ世界は面白い。
久々に心から観て良かったと思えるMCU作品だった。
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ジェームズ・ガン監督の「ロケットには自分を重ねている」という言葉通り、この作品は紛れもなくロケットの物語であり、ジェームズ・ガン監督自身の物語だ。
才能を買われて起用され、瑕疵によって容赦なくクビにされ、後にまた都合良く呼び戻される…直近の彼の降板騒ぎを重ねて見ずにはいられない。
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予告でも物議を醸したドラッグスが子どもにボールを投げつけて笑うシーン、わざわざマスクを引き剥がし爛れた顔を露わにする演出、残虐なジェノサイド描写などトロマ出身の悪趣味さ。
かつて持ち味だった作家性が今やノイズになっている。子どもと動物の命は尊重すべき!という埋め合わせは白々しく映る。
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