しん

クリード 炎の宿敵のしんのレビュー・感想・評価

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
5.0
ロッキーには幼少の頃から並々ならぬ思い入れがあるのだが、彼等が重ねた年月を自分自身も重ね、だからこそ人生においてとても意義ある、素晴らしい映画と巡り会えたことをとても幸運に思う。
思えばロッキーは決して単純なスポ根映画では無く、一貫して人生を描いた映画なのだと個人的に思っている。
ロッキーのラストでロッキーは勝負には勝たない。しかし彼はあの試合で尊厳を、愛を勝ち取ったのだ。だからこそあのエイドリアンを探し求めるシーンは何度観ても胸を打つ。そして今作ではそれがクリードとビアンカとリンクする点も非常に感慨深い。
まさしくシリーズの総決算にして集大成と言うに相応しい作品。彼等の系譜と帰結が真摯に描かれていた。
ボクシングシーンの生々しい迫力、絶妙なタイミングでアドレナリン上げにくる音楽、特にビルコンティのお馴染みのテーマがかかるシーンの絶妙さといい満足度はマックス。
これからはお前の時代だ。そう言って椅子に持たれ掛かるロッキーの後ろ姿とリングを捉えたショットの素晴らしさよ。
ラスト、クリード一家の系譜とロッキー一家の系譜が交互に描かれ、それぞれが帰結し新たな希望を見出していくシーンでは涙が止まらなかった。
ありがとう、ロッキーバルボア。
しん

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