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クリード 炎の宿敵のLEGIONのレビュー・感想・評価

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)
3.0
悲劇の試合となったアポロ・クリードvsイワン・ドラゴ。それぞれの息子が因縁の対決に挑もうとする物語。ストーリーとしては単純で大枠の展開は読みやすく意外性があまりない。ただボクシングのアクションは一級だった。観客の熱や会場内のライトアップ、入場曲など目玉であるボクシングを際立たせる素材がリアルでレベルが高い。試合前からこちらの気持ちが昂り、絶頂になった瞬間に試合へと展開されるので見入りやすかった。ボクシング自体もジャブやフック、コンビネーション技など見えないくらい速く、音や振動が重く、その場にいるかのような感覚になった。ボクシングという競技において対戦は一対一で行われるため観客である視聴者は通常どちらかを応援することになる。しかしこの映画では、クリードもドラゴ、どちらも応援したくなるようなバックボーンを見せてくれるから試合を見終わった時にどのような結果であっても後味が良くなってるように感じた。
試合が良すぎたせいかそこにたどり着くまでのヒューマンドラマが少し雑に描かれてるように感じた。ロッキーはドラゴとの試合にクリードが挑むことをコーチとして拒んでいたが、結局最後はクリードにコーチとして手を差し伸べる。主人公は映画冒頭と最後でそこまでドラゴとの試合に志の変化は起こっていなかったし、展開の仕方は面白いが単純に経緯が弱すぎる。他に蛇足だったのは家族関係のこと。そこまで掘り下げなくてもそれ以外の要素だけで家族関係を掘り下げた場合の心情と同じように描けると思う。物語をつくる要素が多すぎて逆に感動がしづらかった。
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