障害者に子供作るなとか軽く言っちゃう人もいるけどさ、生き物なら繁殖するのは自然なことだし、子育てができるかどうかは周りの環境次第だし、一見卒のなさそうな家庭だって子供を育てられないこともあるし、健常者から障害児が産まれることだってあるし、弁護士さんが言ってるように一見完璧な人のように見えても子育てに正解なんてないし。理想論を言いたいわけじゃないけど、人間ってのはこれだけ個体数が多く社会を形成することで生きてる種なんだから、一定数は子育てに難のあるケースが発生するのは所与の前提として、社会としてそれでも回っていくようにするのが自然だと思うんよね。周りから見て難しそうだなと思えばサポートすれば良いし、それでも無理だとなったら養親とか施設を考える。でもその判断は、「子育てにはこういう環境が必要である」という画一的な基準じゃなくて、一番は子供自身のためにケースバイケースで判断してほしいよね。
この話は一旦ハッピーエンドで終わり、作中の親子の様子からは観客もみんなそれで満足すると思う。ただ、指摘されていた通り、娘が思春期を迎えた時に本当に今の体制で大丈夫なのかはなってみないとわからない。そうなりゃその時考えりゃいいさ、と鷹揚に言える人でありたいしそういう社会であってほしい。
結構考えさせられる映画だと思うけど、ちょっとオーバーかなというくらいの温かい人間模様と演技達者さで飽きさせない。良い映画ですね。
