さとる

I am Sam アイ・アム・サムのさとるのレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.5
知的障害を抱えた父親と、その娘のお話。

主人公のサムはその知的水準の低さ故に、娘のルーシーを育てていくことに不安を感じ始める。

ルーシーはサムの愛情を感じている一方で、他人の父親と違うことを自覚しそれを受け入れていた。

ある誕生日の日、幼いルーシーは父親が周りと違うことに対して思い悩み、父親が実の父ではないと友達に嘘をついていたことを打ち明けられてしまう。

そんなことがきっかけでサムは父親として十分な育児能力がないのではないかと疑われ、裁判となり、親権を争うことに…。

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ストーリー自体は分かりやすく面白い。

知的障害を持っているというハンディキャップが、愛情の有無とは無関係であることを、話の中で雇う弁護士の女性の家庭(夫が浮気をして、息子から避けられている)と対比して表されている。

勉強ができる、できない。
時間がある、ない。
社会的地位が高い、低い。
そういったことに家族間の愛情はとらわれないのだということを、美しく表現している。

娘のルーシーが、ひたすら父親の愛に呼応するがごとく愛を与え、求めようとする姿が純粋で美しい。

これは変な言い方かも知れないが、知能水準が低く7歳程度というサムだからこそ、幼いのルーシーとの純粋な関係が成立するのではないかと思った。

つまり、社会に揉まれて、人の嘘や裏切りを浴び続けて大人になってしまっている我々のような者同士ではこういった純粋な愛情の関係を築くことができないのではないかと思わされた。(本作品はあくまで家族愛がテーマであるが。)

演技が素晴らしく現実を見ているようなクオリティの高さで、胸をうたれる良い作品だった。
あと、ルーシーが可愛い。
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