もう夏

マローボーン家の掟のもう夏のレビュー・感想・評価

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)
3.3
火曜日の朝8時、ベッドに座って鑑賞

海沿いの森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマロ―ボーン家の4人兄妹は、不思議な"5つの掟"に従いながら、世間の目を逃れるように生きていた。忌まわしい過去を振り切り、この屋敷で再出発を図る彼らだったが、心優しい母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、4人の希望に満ちた日々はもろく崩れ出す。屋根裏部屋から響いてくる不気味な物音、鏡の中にうごめく怪しい影。いったいこの屋敷には、いかなる秘密が隠されているのか。やがて平穏を保つための"掟"が次々と破られ、心身共に追いつめられた長男ジャックが、最愛の妹と弟たちを守るために下した決断とは……。

むちゃくちゃおもしろかった……😭
スリラーであり、悲しすぎるミステリーであり、人間ドラマでもある
まず緻密に伏線の張り巡らされたストーリーが面白いし、物語全体からどうしようもない切なさが丁寧にしたためられていて、ただのサスペンスではない愛の物語に昇華されている
前半は何が起こっているか分からず、彼らが具体的に何に怯えているのか、掟の意味とは、映画のジャンルはオカルトホラーなのかサスペンススリラーなのか、謎が沢山ある中で手探りで物語を進んでいく。この時点で既に謎解き感覚で面白いのだけれど、中盤から徐々に謎が明らかになり物語を把握していき、そういうことか、と趣旨を理解して「スリラー」として楽しもうとした時点でまた覆され、衝撃を受ける
この映画は人物描写が凄く丁寧で、素朴に健気に生きようとする4人兄弟に自然と親しみと好意が湧くし、だからこそ「鏡」の真実が明かされた時、映画から受け取る感情が膨れ上がる

◤◢◤◢WARNING!◤◢◤◢
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以下ネタバレあり

でもどうしても分からないのが、ビリーの存在なんだよな……ビリーだけジェーンに「私にはサムがいる、ジャックにはアリーがいる、ビリーには誰もいないの」と言われるなど孤独な描かれ方をしていたり(この頃には成り代わっていたので、ジャックの潜在意識)、危険を犯すのはビリーの役目であったり、更には明らかに1人だけ、意図的にジャックに名前が呼ばれなかったりする。成り代わった後のサムの言葉「お母さんのところに行きたい、一人は寂しい」などにもジャックの深層意識が滲み出ていたりとこれだけ伏線が張り巡らされているのだから絶対何かあると思うんだけど、でも分からん……

あとは、多分サムはお姉ちゃんの息子なのかな
これに関しては確証はないから多分……だけれど……

ジャックはさ、どこかで父親が生きていることを、「何か」を食べて生きてることを勘づいていて、それでも現実を直視出来なくて確かめられなかったんだよね……アライグマやハトじゃない、「何か」

お姉ちゃん、キュアの監禁美少女だ……



"ならず者"



「この線を越えたら、思い出は消える」

「君がいるとみんなが消える」
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