奈緒子

マローボーン家の掟の奈緒子のネタバレレビュー・内容・結末

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます


「私はひとりじゃない。私にもあの子たちの声が聞こえるわ。命はロウソクみたいに消えない。あんたにそんな力はない。」


まずはキャストが今注目の若手集めてて良い!
眉毛薄くて幸も薄そうなホラー映画向きビジュアルのミア・ゴス(実際『キュア』『サスペリア』といったホラー映画に出てる。シャイア・ラブーフの元妻!らしい。)、
美人ながら離れ目で忘れ難い顔立ちのアニャ・テイラー=ジョイ(この子も『ウィッチ』『スプリット』などホラー向きな顔な気がする。日本ではまだ公開されてないオースティンの『エマ』は地味に楽しみ。)、
人気シリーズ『ストレンジャー・シングス』のイケメン チャーリー・ヒートン(かっこいい)、
特段イケメンではないけど使い勝手良さそうなイギリス人好青年ジョージ・マッケイ(『わたしは生きていける』で同じような3、4兄弟の長男役だったな。)


【ここからは『永遠の子どもたち』のネタバレもしちゃってるので未見の人読まないで下さい】

私の好きなホラー映画トップ3には入る『永遠の子どもたち』の脚本家セルヒオ・G・サンチェスが脚本+監督ということでこれは!と思って観た本作。
最初は、町から離れた屋敷、海辺の風景、海まで続く草茫々の道、洞窟など『永遠の〜』と同じモチーフが出てきて興奮した。壮大な音楽なんかもスペイン映画っぽい!そして、壁や天井から聞こえる呻き声とか引っ掻く音が幽霊ではなく閉じ込められた人間のものだとか、『永遠の〜』のトリックをバチバチ思い出してしまうよね。
ただやはり『永遠の〜』の脚本家ということでめちゃくちゃ仕掛けを探りながら観てしまった。だから兄弟3人が死んでしまっていることは「6ヶ月後」と出た後すぐにわかってしまった。だから種明かしで泣かせてやる!というシーンでは泣けなかった。

『永遠の〜』でも本作でもちょっと物議を醸すラストなのが良いなあ。
『永遠の〜』ではラウラは自殺してしまう。
本作『マローボーン家の掟』ではジャックは精神病を治さない。
どちらの主人公も、大切な、死者と共にあるために。
サンチェス氏の死生観と思われるものが出てて独特でいいよな〜。
この希望と絶望、悲しみと幸せが一気に押し寄せてくる感じがすごく好きなんだ。。

“I’m not alone. You can hear them within these walls and you know what? I can hear them too.
You thought you could put out their light like a candle, but you can’t.
You don’t have the power.
You’re the one who’s dead”
奈緒子

奈緒子