nanashi

バイスのnanashiのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.1
娯楽色の強いドキュメンタリーは新鮮で、面白かった。副大統領チェイニーの強腕ぶりの裏で、家庭内の同性愛者の娘に理解を示す親、のような振れ幅が肝だと感じた。公人と私人の立場で、信条が矛盾する一個人の複雑さが、フィクションとドキュメンタリーの両面でハリを持たせており効果的なのではないか。

保守のチェイニーを告発する内容でありながら、語りのレベルでは一方的に断罪するリベラルの立場を相対化するような、メタな操作を所々でいれてくる。何重にも手が混んでいて驚いた。
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