りょう

バイスのりょうのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.0
 2004年の「マシニスト」で“激ヤセ”の男性を演じたクリスチャン・ベイルですが、およそ同一人物とは思えません。俳優の役作りが称賛されるのは理解しますが、さすがに健康状態にも影響しそうなので、過剰な体重の増減には、労働時間のような規制が必要ではないかと思えるレベルでした。
 1人の政治家と国家権力を風刺したブラックコメディのはずですが、彼らのやっていることが極悪すぎてまったく笑えません。政権の裏事情としてどこまで真実なのかわかりませんが、映画の意図としては成功しているのでしょう。
 こんなことを2001年以降に経験しつつ、オバマ大統領の次にはトランプ大統領なんかも誕生して、アメリカ人の政治意識は理解できません。次の大統領選挙もどうなることやら…。
 それにしても、実在した政治家をここまで批判するフィクションを映画にしてしまうなんて、ある意味でハリウッドという業界は恐るべしです。日本の政治家と対比しながら観ていましたが、まったくスケール的に比較になりません。日本なら大手の映画会社は絶対にやりそうもないので、気概のある監督が自主制作するなら、クラウドファンディングで出資したくなります。
 金融オンチの自分には「マネー・ショート 華麗なる大逆転」が難解な群像劇で、3回目でようやく傑作だと思えました。この作品は3年ぶりくらいで2回目を観ましたが、1人の主人公を中心にした物語だし、ここでも登場人物(この設定は秀逸)による解説があるので、最初からわかりやすかったです。
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