Takasugi,Kei

バイスのTakasugi,Keiのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.2
満足感がすごい!クリスチャン・ベールとエイミー・アダムス、スティーブ・カレルの演技合戦のよさ、タイラー・ペリー、アリソン・ピル、ジェシー・プレモンスといったいきのいいキャスト、整理された情報量。
そして、主人公チェイニーと政治の動きの含みの味わい。チェイニーは単なる悪人ではなく、度重なる挫折や病気を乗り越え才能を開花させ、趣味や家族を愛するポジティブな人物としての側面と政治のフィクサーとして暗躍する謀略家の側面を併せ持つ複雑な人物として描かれる。だが政治の成り行きで法を歪めたことから徐々に自分の制御を失っていき、一国のみならず世界に雪だるま式に混乱を生み出す存在になり果てる。
そして、ブッシュ政権下の大混乱。今の日本で起こっていることはブッシュ政権下で彼らが起こした諸々の事象のフランチャイズではないかと思える。
少しだけ解釈違いだったのは、ブッシュJr.の描き方。粗野で頭の悪い小人物として描かれていたが、実際の本人は屈折しつつも温和で人懐こく、愛嬌と魅力も備えていた人だと思うので。でもこの映画のサム・ロックウェルのブッシュもよかった。
Takasugi,Kei

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