わだげんた

バイスのわだげんたのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.6
野心ある男に、野心ある妻あり。

男は伴侶によって人生変わるんだなぁというのをまざまざと見せつけられました。
この妻をめとっていなければ、チェイニーさんの人生、どうなっていたのかなぁ。

正直なところ、政治的な話には相当疎いほうです。本当に簡単な概要を知っているくらい。
なのでマイケル・ムーア監督の作品とか観ると素直に「ほえー」とか感嘆してしまいます。

この作品も最初は「アメリカの副大統領の話? それってわざわざ劇場で観るべき作品なんだろうか」
とか思っちゃったり。アカデミー賞関連で話題になったり、クリスチャン・ベールの狂気の役作りが
評判になったりして、ちょっとずつ興味が出てきました。

この作品に出てくる実在の政治家はどうこの映画を観たんですかね。
ブッシュもパウエルもそっくりでびっくりしたんじゃないかな、本人たち(笑)

この映画はさすがに事前に多少の予備知識は入れておいた方が良いかな、と思いまして、町山さんの
ラジオ番組で予習。アダム・マッケイ監督はアメリカのバラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で鳴らした
監督なんですね。政治とかに切り込んで笑いにするのは得意中の得意なんでしょう。

実際、笑いなしで政治物を観るのもキツイもんなぁ…。

で、鑑賞。


学生時代酒浸りで劣等生だったチェイニー。恋人リンに叱責され、政治家への道へ。
破天荒な議員ドナルド・ラムズフェルドの下で経験を積み、やがて政治家として
頭角を現していく。

そう、政治家はチェイニーにとって天職だったのだ。

それでも、一時は挫折も味わい、政界引退状態であったが、ジョージ・W・ブッシュからの
誘いで彼の政治家人生は再び始まることになるが…。

ってお話。

多分もっとアメリカの政界のことを知っていれば、もっともっと楽しめるんだろうけれど、そんな
政治無知の僕でさえ、結構楽しんじゃいました。

いやー、どの国でもそうなのかもしれないですが、政治の世界って複雑怪奇魑魅魍魎。
呆れるや、ため息つくやら、笑っちゃうやら。

途中途中で挟まれるルアーフィッシングのシーンは”偽りの餌を巻いて””獲物を釣る”って暗示なのだとか。
そう考えると構成良くできてるよなー。

この物語の語り部、たびたび本人ご登場で、いろいろチェイニーについて語るんですが、最後の最後まで正体がわからず。
そして正体が明かされたときに…。

なにそれ(笑)って笑っちゃいましたよ。ホント人を食ったような構成に脱帽です。

しかし、単純な疑問として、改めてなんでブッシュは大統領になれたんですかね…。まあ、それを言ったら
今の大統領も相当ですが。
わだげんた

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