『私、ディズニーが好きなの‼︎』
『えっ、ディック・チェイニー?』
【発見】
リン・アン・ヴィンセントは、
理想の亭主を探し求めていた。
目の前には理想がごまんといる。
しかし、その中で彼女が選んだのは、
誰もが見向きもしない男であった。
平穏を求めるならば、
将来の旦那がする多少の火遊びにも、
目をつむらねばならない。
しかし、
それはリンの野心が赦さない。
彼女が男性に求めるのは、
自分だけを永遠に愛し、
神の前で誓った言葉を破らない。
そんな男性である。
【きみはペット】
『ゴジラをペットにするのね?』
『違う、我々がペットになるのだ』
ディック(VICE)は、
リン(ゴジラ)のペットになったのだ。
【再生】
『再選』したはずのニクソン大統領は、
『再生』したテープにより職を辞した。
『再生可能』なはずのエネルギーは、
レーガンの手により『廃棄』された。
政界から身を引いたはずの男もまた、
一人の野球バカとの『再会』により、
『再生』を決意する。
【素通り】
人は魅力的な人間には振り向くが、
平凡な人間には見向きもしない。
『今』でしか人は、
人間の価値を評価できないからである。
人間は蝶のように、
『幼虫から成虫に完全変態』
する生き物ではない。
だから美少女や神童のような、
生まれ持つ才能は優遇される。
彼らは成人しても、
大成する可能性が高いからである。
しかし、
ディックのような若者は評価されない。
先の将来に希望がないからである。
ただ極稀に、
醜い人物(幼虫)が完全変態を遂げて、
怪物(成虫)になることがある。
【無知・無関心】
人が不幸を回避するには、
無知であることが
最良の方策である。
そうすれば人は、
見える恐怖にのみ目がいくため、
本質に気づくことなく一生を終える。
ディックやリンは、
普通の人が気づかぬことにも
敏感に反応してしまう。
気づかぬフリをして、
目をつむることだって出来ただろう。
しかし、
それはリンとディックの野心が赦さない。
彼らが大衆に求めるのは、
一時の情欲に溺れて、
神の前で誓った言葉に唾を吐く。
そんな世の中である。
【anonymous= Dick Cheney】