もはや原型を留めてないチェイニー役クリスチャン・ベールの静かでありつつも恐ろしい圧倒的な演技力に驚き。加えて、ダメ亭主を大出世させた強い妻を演じるエイミー・アダムスは今回も名演技でいい加減オスカーあげてもいいやん笑。
危機はチャンスにもなること、権力で誰でもねじ伏せられることをチェイニーはDCの誰よりも理解してたんかな。ワイオミングの電気工事師から、大統領以上に絶大な権力をふるう戦時下の副大統領まで登り詰めたバイタリティもさることながら、一方ではたとえ自身の権力を棄損しようとも家族に対して無償の愛を注ぐ良き父としての側面も描かれてて、単なるコメディ映画に終始してないのも意外で良かったし、9/11後に法律顧問たちと悪巧みして自国市民の自由、他国の主権および人権の侵害を正当化していったアメリカの恐ろしさには震える。G.W.ブッシュ政権以前以降も同様やけど。
とはいえ基本はコメディで楽しく観られた。まさかの「『ワイルド・スピード』好き」の皮肉は笑ったわ。
大統領はじめ政権閣僚がみんな良いスーツ着てたのも個人的には見所。
