MinaMi

バイスのMinaMiのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.1
ばい菌の世界を顕微鏡で覗いてみたらこんな感じだろうか。
ハッタリと誤魔化しと捏造だけが得意な心臓の弱い無能が、それすらも出来ない本物のバカ大統領のNo.2に就くとこんな酷いことになるのか。反吐が出そうな邪悪。唯一の良心パウエルくんを応援してみたところでどうしようもない。妻が有能だと出世するもんだ。
ディック・チェイニーは派手な悪党ではない無口で家族想いの平凡な男。そんな奴が権力を手に入れるとこんな風になってしまうのかという恐ろしさ。ラストのインタビューシーンでは顔が引き攣るほど吐き気がした。魅力的な憎まれ役ではなく、ただただ邪悪。醜いものを見過ぎるので鑑賞後は洗眼したくなる。
シーンの途中に時々入る皮肉な演出はマイケル・ムーアのドキュメンタリーのよう。
本当のことを描いていると言っているがあくまでも映画であると考えるのは保守過ぎるだろうか。とはいえでっち上げで民間人を戦争に巻き込み、ISIS誕生のきっかけを作ったかもしれない男の生き方は邪悪としか言いようがない。

・脚本 6/10
・演技 7/10
・演出 6/10
・音楽 6/10
総合点 25/40
MinaMi

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