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生きてるだけで、愛。のnuunのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.6
本谷有希子の小説の映画化。「乱暴と待機」と同じく正規分布から外れたような人間をありありとリアルに描くのが上手い。寧子が些細なことが重なって怒りを感じるところや、喫茶店の人達との関係をちょっとしたことでぶち壊しにしてしまうところ、全身の毛を剃るような衝動的な行動(自傷行為)にかなりリアリティがあり共感できる。
最後は少しあっさりめ。ここから先の二人はどうするんだろうと気になるところで終わってしまった。
趣里の演技がとても良い。趣里以外だとかなり違った雰囲気の映画になりそう。逆に仲里依紗の役は趣里でもハマり役になりそう。
寧子のような死ぬほど生きづらそうな人が人類の進化の過程で淘汰されなかったのは、なんでだろうと不思議に思うけど、たぶん一昔前までは例えばシャーマンとして部族を引っ張るような役割についていたのだと思う。現代の先進国では適応する場所がほとんどなくなってしまったのが辛いところ。
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