EmiriSuzuki

生きてるだけで、愛。のEmiriSuzukiのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.8
試写初日に駆けつけた。まだ7月だったが、早く秋になってまた観たいな、と思った。
本谷有希子作品は舞台になっても映画になっても、どれもこれもすごい。それぞれの手法で何度でもえぐってくるからな。

仲里依紗の目がイッてて凄い。長回しで寧子の葛藤が描かれるシーンは涙がドバドバ出た記憶がある。

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」や舞台「幸せ最高ありがとうマジで!」を観た時よりも断然、身勝手な主人公の持つ生き辛さが突き刺さったのは、時代の影響もあるのかな。
とにかく、秋深まった頃から冬にかけて観るのが最適な映像だと思うので公開が待ち遠しいです。

7月に観て、いや……これは寒くなってから観ないと意味が半減するかも……と思ったので感想も保留にしてきた。作品としては全く違うけれども人セク毎年必ず冬に観るのに近い、あの寒さへの憧れ、のような。関根監督が撮る、夜と朝の間のファンタジー感はとても好きです。時間軸が曖昧な感じで、主観が優先、主軸となる人間の周りがすべてぼんやりしているところもなんだか人セクに近しいものを感じる。

原作者が、主人公の姉としてカメオ出演している(はず)。もしあれが、そうじゃなかったらちょっと落ち込むのだが。

気付けばしばらく観れていなかった、いちばん観ていたい形の菅田将暉も、観られる。主役ではない時の菅田くんて、とてもいいですよね。