エンドクレジットが流れてから、買っていた飲み物のキャップをはじめて開けた。
飲み物の存在を忘れていた。
一瞬に生きる人がいて、その一瞬が限りなく美しかったのなら惚れる人がいる。
カタルシスに侵され、1つ1つの描写が右心房をえぐられた。
誰がでなく、演者・スタッフ全てが素晴らしい。映像、音楽、文字のデザインまで素晴らしく、監督の大きさをも感じた。
なんといっても1番は、本が素晴らしい。 あそこまであの症状を言葉に落とし込める人がいるのか。親が踊っていた下りの遺伝的説得力まで説明過多にならず、一瞬で美しく描いていた。
帰路の電車ひとつ前の駅で降り歩いて帰る。冬の夜風が気持ちよく、頭には映画の音楽が流れていた。