パケほ

生きてるだけで、愛。のパケほのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
4.4
少しタイミングが違えば終わった後に何も考えずに電話してたかもしれない。何してんのか、元気かと話してたかもしれない。

存在してるだけで認めてあげたくて、甘やかしていい訳じゃなくて、でもどうすればいいか分からなくて。受け入れてあげたいけど、受け入れ方が分からなくて、怒られての繰り返しでしかない。
相手からすれば納得するように仕向けられてるとしか思えないんだもんな。
たぶん、作者自身もどんな形かで関わってきた人なのかなと。上がってきたら落ちていくことに気が向いてしまう。元気になった時に嬉しさもありながら、次のことが気になってビクビクするしかないあの感覚は痛いほど分かった。でも、本人が1番辛いのは分かってる。

周りの配分が大切よね。菅田将暉も必要であれば、姉も必要。バイト先のおじさんも必要。あの後に関われるかで変わってくる気がするな。
「よく生きてこれたよね。」
気に食わないのは、寂しいから、引きこもってるのが根本的な理由じゃない。

帰宅した後のシャワー、朝起きたあとの屋上(決して綺麗ではない、そこに見える社会?ビルというべきか)、軽蔑の目、横顔、とても綺麗という訳では無いけど魅力的だなと。
ブレーカーの後に察して抱きしめるのが良い。ほんの一瞬だけ分かり合えた。

「私は私とは別れられない。」
走り出せるから強い。

どうやってもきついし、なんでか分からなくなるけど不意な言葉だけでなんともなくなるよね。観てるだけで辛い映画でした。
終わり方好き。

生きるだけじゃダメなんですかね。
「生きてるだけで、私は疲れる」かー。

母親か?
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