るぴ

生きてるだけで、愛。のるぴのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
4.1
二人の共演が発表された時から楽しみにしてたんだけど、精神的に安定してないと向かいあえなさそうな感じじゃないですか、これ。
というわけで、観るまで若干の時間がかかりまして、やっと鑑賞することができました。

凄かった。重くて、でもどこか軽やかで、ものすごく好きな作品。

この上なくダメダメなヒロイン、だけどしょうがないんだよね、自分で自分を持て余してるんだもん、できないんだもん。日常の買い物だけで疲れ果ててしまう、あぁホント辛いよね。

そんな寧子を趣里が演じる、、
なんかもーこれは奇跡じゃないかと思うくらいのはまり方で、ほんと凄かった!
メンヘラで、病んでて、最悪なんだよ、ほんっと最低なの。
でも分かってあげたい気持ちになる。
人間なんて多かれ少なかれ、みんなどっか変だよだから大丈夫って言ってあげたくなる。

そして彼女の微妙な表情の変化が見事で、絶望している彼女に、うつろ気な姿に、何度も何度も見惚れて感情移入しました。
すべてを捨てて走る彼女の姿が軽やかで美しく、エンディング曲の「1/5000」との組み合わせが絶妙で、こんなに重いテーマなのに、観終わった後の解放感と軽やかな気分が不思議でたまりません。

そして津奈木を演じる菅田将暉の押さえた演技が最高だった。
感情がほとんど出ない人なのよね、だから寧子のことをどう思ってるのかも掴めない。
でも最低な彼女を見捨てているわけでもない、わからない。

彼が最後に彼女のどこが好きかって話すんだけど、それもまたいいんだよな。

今まで見たことないような、経験しようもない、男女の関わりを見た気がして、表現が難しんだけど、、、心がふわっとした。

ちょっとびっくりするくらいに最高によくできてて、なんでもっと話題にならなかったかなーって、今思ってる私なのでした(今頃見て)
るぴ

るぴ