太田康裕

旅するダンボールの太田康裕のレビュー・感想・評価

旅するダンボール(2018年製作の映画)
4.5
有史以来、もっともダンボールが流通する現代なのにダンボールは保護材としてだけ見られてて用が済めばゴミになる。
なのに、この映画の主役:島津冬樹さんにかかると財布なんかに生まれ変わっちゃう。
「価値」とかについて考えさせられるのだけど、たぶん島津さんはそんな事よりダンボールを愛している。
作中ダンボールの話してる時とそれ以外の時で明らかに目の輝きが違う。
そんなダンボール好きな人いる?って笑っているとダンボールがまとう僕らが気づかなかった物語に泣かされる。
見終わると観客は自分の中の価値観が変わっていることに気がつくはずだ。

なんて素敵な映画に出会えたのだろう!

そういえば、僕も小学生の頃ゴミの中から変わった形の緩衝材とか探すのが大好きで、ある日担任に「君はゴミの中から宝物を探す天才だね」と言われたのだけど、この言葉は島津さんにぴったりだと思う。