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愛しのアイリーンのEDDIEのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
4.1
強烈すぎる自己顕示欲と愛のカタチ。
息子岩男は42歳にして親頼り、親は親で子離れできず、すると息子は外国人妻を連れ帰ってきて…ヤクザとひと騒動勃発したら、次は性の歯止めが効かぬ岩男。無意識の差別や暴力の連続に爽やかさの欠片もない𠮷田恵輔ワールドを堪能せよ。

〈感想〉
とは言いつつも、ラストはほんのり感動したよ。ただの胸糞で終わらさない。それが𠮷田恵輔という男よ。いやぁすんごい映画だっだなぁ。

『神は見返りを求める』公開に向けて、𠮷田恵輔監督作品の未鑑賞作品をセレクト。

主役が何度も「お○ん○〜!」と叫ぶので、こればかりは親や家族とは観られない。付き合いたての恋人と観るのも要注意。
性描写が満載でかなり激しいし、河井青葉にあんな露わな姿をやらせるなんて!と驚くばかりでしたが、とにかく安田顕の岩男役が素晴らしすぎます。
もはやこんな男なんじゃないかと疑ってしまうぐらい憑依していました。

主人公の岩男はパチンコ屋で働きながら、実家の親の脛をかじるような日々を過ごしています。
40歳を過ぎてかなりの体たらくです。
とはいえ、彼はコミュニケーション脳力が極端に低くて、感情表現がうまくないので、まぁ実際社会で生き抜くのも大変だなぁとか気の毒になる感覚です。

一方、母のツルは息子を溺愛。こんな息子でもたった1人の息子なんですと言わんばかりに甘やかします。
この木野花の怪演がとんでもないです。すごいものを見せてもらいました。

ある日岩男は家に外国人妻アイリーンを連れ帰ってくるわけですが、そりゃあ母親は只事じゃないし、外国人への差別意識も持っているわで大変です。
結構ねぇ、このアイリーンへの当たりがつらいんですよ。
アイリーンはアイリーンで言葉がわからないことをいいことにぶつくさ文句言いまくってましたけどね。

そして、伊勢谷友介演じるヤクザものの塩崎との出会いをきっかけに岩男やツル、そしてアイリーンは人生が大きく狂っていくという具合です。
人を愛するということ…家族というもの…それらを色々と考えさせられる映画でしたね。
キツイ描写も多いですが、一見の価値は十分にあります。

〈キャスト〉
宍戸岩男(安田顕)
アイリーン・ゴンザレス(ナッツ・シトイ)
吉岡愛子(河井青葉)
マリーン(ディオンヌ・モンサント)
正宗(福士誠治)
宍戸源造(品川徹)
竜野(田中要次)
塩崎裕次郎(伊勢谷友介)
宍戸ツル(木野花)
斉藤(古賀シュウ)
真嶋琴美(桜まゆみ)

※2022年自宅鑑賞118本目
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