新井英樹は好きな漫画家ですが、本原作は未読。
しかし、人間(主に男)の根源的な欲求や衝動を躊躇なくぶっ放しながらも、最後には人間賛歌に昇華する新井英樹イズムはしっかりこの映画にも継承されていると思う。
なにより本作から感じられたのは、大いなる女性賛歌。みんなヒドい目にあったり、手前勝手だったり、浅ましかったりするのに、ね。結局、男なんて女の○○○○から出てきて、そこに還りたいだけの弱っちくて情けねぇ生き物に過ぎないんだよなぁ、、
まぁ、そういう男代表、イワオを安田顕さんが大熱演。「○○○○〜！！○○○○〜！！！」の慟哭。ムッチャ笑えたけれど、笑えないよね。イワオは俺たちの代わりに吠えてくれたんだよ。
あと、伊勢谷友介のキャラクターも物哀しくも、ある一面の男を代表していて忘れ難い。(原作だと同性愛者という設定の様で。むむ、やはり原作も読まねば)
そして、もちろん女優陣は一様に素晴らしい。母であり娘であり娼婦でありオンナである、女。みんな体当たりというか、身を削ってるというか。こんな本気でぶつかってこられたら、こちらも落ち着いて観て入られませんよ。
エンドロールの奇妙礼太郎のワルツ調の歌唱にのせられながらグルグルといろんな事を考えながらも、結局は俺ぁナニもわかっちゃいねぇなぁと思う。そして、また漫画を読んで、映画を観たくなるのでした。
