キミシマユウキ

パンク侍、斬られて候のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)
3.5
江戸時代、浪人の掛十之進は士官と報酬欲しさに嘘っぱちの情報で黒和藩を担ごうとするが……。

『狂い咲きサンダーロード』等の
!!石井岳龍監督!!
による同名小説の実写映画化。
なんとなく気になっていたので鑑賞。


「俺はパンク侍だぁ〜(カオス)」


これは色んな意味で凄い作品。
最初から観客の共感とか大衆ウケを一切狙わずに作ろうとしたのであろう。豪華なキャストと今をときめく脚本家クドカンの名前に惹かれて見に来たミーハーカップルなどは痛い目を見そうなぶっ飛び具合。
題名の通り、何もかもがパンクなのである。
時代劇なのに口調はカタカナ英語使いまくる現代風だし、衣装は派手派手、ゆとり世代やら流れに身を任せる愚衆の群れ、腹踊り、喋る○○…
そうこの映画は時代劇の仮面を被った現代の痛烈な風刺映画なのである。
そんな少しわかりづらくも痛快コメディ現代風時代劇はクドカンの妙もあって途中までは結構笑わされながら楽しませていただいた。
しかし○○が喋り出してからの展開がカオスすぎて付いていけなかった(笑)
なんやこれ、何を見せられてるんだ我々は…
と思っていたら終わった。

キャストはとにかく豪華。
綾野剛はキメるシーンがとにかくかっこいいしアクションも良い。
染谷将太と浅野忠信る悪ふざけのしすぎで頭おかしい。
豊川悦司と國村隼さんは安定の渋い演技。
東出昌大はイメージ通り。
ヒロインの北川景子は最後らへん演技くさすぎて笑う。

まぁだいぶ人を選ぶでしょうが、チャレンジャーの方々は是非劇場でポカンとして頂きたい(笑)
原作読んでる方々は答え合わせの感覚で是非。。。

パンク好き、石井監督の尖った作風好き、そして後半がカオスになっても許容できる懐の深い方々にはオススメの作品。