memo

スティルライフオブメモリーズのmemoのレビュー・感想・評価

4.0
「女性器を撮る・見る」という行為を通じて「自分・他人の人生に向き合おうとする」人たちの映画だった。見つめる矢印が "娘→母、女性→自分自身、男性→女性" と複数描かれるのがよい。

カメラマンが主人公に襲いかかる展開は、男性にとって女性器はどこまでもセックスの対象でしかないのか、被写体としてあれほど向き合っても何を知るどころか気持ちが交錯してしまうのか、と失望する。映画としてはよい展開だと思う。その後そういう悪い意味での「男性的な思考」に彼自身が気づき、切り離していけるかは投げかけて終わっている。(娘の子育てや撮影が続くことが匂わされてるので)
そう思うと、この物語は何を学んだのかという結果より「知ろうとすること」そのものの大切さに焦点を当てているのかもしれない。

よく出てくる螺旋階段(人生・命の連鎖)やトンネル(産道)のイメージや "湖に耳を当てる、森で何かを覗き見る、妊娠で大きくなったお腹に耳を当てる、女性器(彼女の/恋愛対象ではない人の/娘の/母の)を見る" ←後半ここら辺を怒涛に重ねてきたのキレキレで酔うかと思った。

完璧なオープニング(写真〜森)、女性2人が湖の上でピリつくでもなく話をする場面、ラストの女性の踊り(意味はわからない)が好きだったな。
memo

memo