ばあめえ

来るのばあめえのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
4.1
Twitterでバズってたので観てみた。
民俗学っぽいのが好きな人間として、とっても面白かった。
ホラー描写はジャンプスケアよりも不気味さ(精神的不安)とグロ系寄り。

見所はなんといっても、祓いの大儀式の圧倒的な胸熱感!
宗教も国も超えた祈祷師たちを結集させ、科学の力までフル活用して行う大儀式はビジュアルから何から最高だった。

ゴジラに出てくる「呉爾羅」伝承、あるいは史実のコレラ菌(虎狼痢)が妖怪の姿で描かれてるやつみたいな、古文書に記された怪物に現代の力で挑む、みたいなのが個人的に大好き。
海外の怪異が日本にも影響を及ぼしていて、それが妖怪画として残されている、みたいのも好き。
今作の創作伝承「ぼぎわん」も、どうやら海外の「ブギーマン」が訛ったものを名の由来とする設定らしく、かなり刺さった。

内容でいえば、「人間が一番怖いよね」系の人間関係の怖さと、怪異そのもののオカルトな怖さとを上手く共存させていたのが素晴らしかった。

ただ、事の発端はなんだったのか、あの人はなぜあんな目にあったのか、あの人が実はどんな人間だったのか、みたいなサスペンス要素がたくさんあるものの、一度観ただけではその解を得られなかったので、今度は原作小説も読んでみたいなと思った。

お気に入りは、怨霊の強大さを察知した4人の祈祷師が、「これ、相当まずいですよ。」「別ルートで向かいましょう。」「誰かは無事に辿り着けるだろう。」って言って新幹線を降りていくところ。あまりにもかっこいい。
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