B級怪獣エイガ

来るのB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
2.4
なんで嫌いなの?と言われたら、東京03の救世主ってコントの中のセリフっぽく言えば、『お前は、カッコつけていたからな……。お前はカッコつけていた…その癖、怖くも面白くもなかった…。』

全編ずっと予告のような編集が鼻についた。ただの会話のシーンとかも無駄にカット割りが早かったりあまりに人為的すぎる編集で話やキャラクターに入り込めなかったしずっとその調子なので話の緩急も全然ついてるように感じず長く感じたし盛り上がるはずの後半とかかなり冷めた目で見てた。
画だけ見ると印象的なカットとかはあってそこはいいけどそれらを繋ぐ部分の編集のくせが強く、''ただ面白良い画を切り貼りしてそれなりに仕上げてみた''って感じでダサい。し、切り貼りしてるから見終わったあとの映画の印象がペラッペラに感じてしまう。
そしてまた、この編集から『カッコイイでしょ?(怖いでしょ?的な)』のが透けて見えるのがなんかもう嫌だわ『はいはい。』という感じ。

あと、例えば死霊館とかの割と物理で暴れまくる怪奇現象は好きなんだけど、あれはそれまでに入り込んでるから『おおおお!!』となる訳であってその段階に全く来てなのにそんな事されても『茶番乙。』になるだけ。

そしてラストの『オムライスの国』の所がマジで嫌いだった。『ラストにこんなん入れて面白いでしょ?』感。ガチでクソダサくてびびった。いや本来はこういう画を入れてくるのは好きなんだがこれは無い。例えば21ジャンプストリートのドラッグシーンなんかはドラッグにやられた''流れ''があってのふざけである上、画的にも笑えるし映画の雰囲気にもあってるだけでなく象徴にさえなってるのが最高なのだ。今作のこれはもうショーもなさすぎる。ほんと。

ここまで結構ボロクソ言ったけど嫌いじゃない点も流石にあって、最初に怖くないと言ったけど唯一駅のトイレでのシーンは昔見たほん怖的な幽霊のヴィジュアルの怖さがあってゾゾっとした。し、凄いノックされるドアの鍵の『超開いちゃいそう』な感じ、ここは怖かった。
役者陣で言うと妻夫木聡の空っぽの笑顔というかその感じの演技も良かった。もうそういう人にしか見えない。小松菜奈の霊媒師の妹もどちらかと言えば好き。知沙ちゃんの子も可愛かった。最後の方はもうこの女の子2人生きてればなんでもいいやと思ってた。
あとはエンドロールが短いのは良かった。

まあ、今年映画館で見た中では特に嫌いな一作品だった。面白さで言うと『プーと大人になった僕』とか『ザビガイルド欲望のめざめ』よりは''上''だけど''嫌い''なのは確か。

でも賛否がかなりある作品だとは思うので結局自分の目で見て確かめるのが1番だと思う。僕はハマんなかった。