ジュリアスエッグベネディクト

来るのジュリアスエッグベネディクトのネタバレレビュー・内容・結末

来る(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

すごくいい。

カットというか、何もない場所を写すシーンが堪らなすぎて一枚一枚額縁に入れて飾りたい。
音楽と合わせて不安をアオルアオル。
煽りか方も只緊張感高めるんじゃなくて素敵です。

最後の祈祷シーンもいい。エモイ。



追記
妻夫木聡の演技がほんとに素晴らしかった。
最初見た時はなんだこの棒演技と思ってたんだけど、見ているうちにこの人は"誰に対して"ではなく"自分自身に"嘘をついているんだなぁって気付いて納得。スイッチのオンオフハッキリしてるし、演技の違和感はこれなんだなぁって。

子供がほしいって言ったのも本心。幸せな家庭を作りたいのも本心。
でもすぐに嫌な部分から目を背けてしまう、責任のある人間になりきれてない自分自身を守るためにブログという嘘の世界に逃げ込んでる。

親友にたいしてもずっと幸せの仮面をかぶり続けてたけど、あの日、居酒屋で諭され、諦めかけた後に一瞬でた表情は家族を守るための心からの表情だったと思う。

そう思うと最後の泣きじゃくるシーンの見方も変わるんじゃないかな。
自分自身に対する後悔とかが入り交じっているように感じる。堪らない。

主人公?の岡田きゅんも黒木華もみんなみんな自分自身に嘘ついて、虫が寄ってくる。
岡田きゅんは自分自身の嘘に向き合い、立ち上がったから生き残ったんだと思う。松たか子も自分の嘘を受け入れたから生きてると僕は思う。

ラストもまたいいんだ。
血だらけなのに気にしない、気がついてない、他人に興味がないコンビニ店員とか日常をひしひしと感じるし、さっきまで形容しがたい何かと結託してまで人殺そうと思ってた女の子がこれから母親になる人の膝の上で大好きなオムライスのことしか考えてないってそういうことだろ!泣けるわ。子供かわいい。

ってハイテンション祈祷の間、言葉にまとめられない考えをぐるぐるさせてて、やっと言葉に出来たから書いてみた。

自分自身もそうだし、たぶんみんなもついているであろう自分に対して嘘ついてる。
つき続けてると、あれが迎えに来るよ。
僕はやめられんけど。


って書いたけどたぶん全くそういうこと考えないで見る映画だと思いますこれ。