(松たか子が出てくるまでは)大傑作。
不穏な空気が素晴らしい。近頃の怖い映画はとかく関係ないところで「ドカーン」とか「キャー」とか音圧で怖がらせようとするけど本作は良心的。必要最低限の音圧だけでひそかにひそかに物語が進行していくのがキモ心地よい。
妻夫木くんが友達や会社で浮いているところや痛い子育てプログに顔出し記事アップしてるところなんて最高にゾワゾワする。独りよがりな育メンもどきなところなんて最高。華ちゃんの生育歴とかも気色悪くていい。
ドラマとして本当に人間のしょぼさも描いている。家庭の過程がぐっちゃぐちゃ。オカルト現象よりぐっちゃぐちゃ。
しかも上手にミスリード。謎が解けていくというか、次第に裏側裏側を見せられていき本質に迫る。
えてして怪物映画ってやつは怪物が出てくるまでが面白い。本作はそういう意味で大成功してる。よく分かってるなあ、その辺。
音楽センスもイケてる。
松たか子が出てからは物語の収束を図るためちょっと強引だったなあ。