フリーター女子高生

来るのフリーター女子高生のレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
日本、そして人間の嫌な部分を詰め込んだ傑作。

作品のテンポ、キャラ、カメラワーク全てがかっこいい。
ホラー映画ではあるが、それよりも人間に惹かれるストーリーだ。
正直ホラー部分は二の次。少し驚かせる要素はあるが、
ホラー映画を撮りたいというより、カッコいい映画を撮りたい
という気持ちがあったのかもしれない。

なんといっても、後半の強キャラ大集合のシーンがすべてよい。
特に、大鳥神社の神官が新幹線を降りる判断をするシーン。
シーンとしては10秒足らずだが、
「まあ、誰か一人はたどり着けるやろ」
という飄々としている割には相当な覚悟が詰まったシーン。
プライムに入ってからはあのシーンだけ見返したりする。

妻夫木のクズ役は「渇き。」の時もそうだが本当に様になる。
外面がすごくいいけど、自分本位で他人にあまり興味ない人っている。
そして、黒木華。岡田純一から盛り塩してもらった後の笑顔が最高にいい。
全てを物語る表情が非常に様になっていた。
この二人の夫婦のキャスティングは大正解。


前半部分の親戚の集まりは「田舎」の人間にしか
わからない陰湿さがある。実際にこの光景は幼少期に見たことがある。