端折りと改変が激しすぎるしあまり上手くいっていないので原作の方がストーリーが優れているし恐怖描写も秀逸。原作を読んでいないとなんのこっちゃ分からん場面が多々あるのは良くない。ただ、最終決戦に柴田を出すために中華料理屋で生存ルートに持っていった改変は良かった。
終盤のオカルト大戦争も面白いのだが、そちらに力を入れ過ぎて原作のキモだった「ぼぎわん」そのものの描写が皆無に近いのはさすがにどうかと思う。
妻夫木は「悪気はないが無能かつ自己中心的なイクメン気取りの最低パパ」を上手く表現していた。が、そんな奴が最後にはきちんと妻子を守るために動いたということが大事なのに、そこに対しての妻サイドの心情をまともに描かないのも物足りない。原作は妻が夫に対して愛憎半ばして悶える心理描写がよかったのに、映画では単なる憎悪塗れの嫌な奴になってしまっている。
