大きな波に吞み込まれるなかで、
それぞれのいろんな思いが交錯した。
日1日と可愛くなるばかりの我が子を、
毎日抱きしめても飽き足りないほどの我が子を、
それでも手放さなくてはならない心境はどれほどのものか。
同時に、信じて託せる保育士たちがいることが、
どれだけ有難く心強く救われたことか。
再開とお別れが、どれほど身を切るものだったか。
親と子の気持ちを思わずにはいられない。
「こどもたちのため」を考え、前例のない疎開保育を実行した保育士たち。
戦禍の中で、肉親や親しい人の生死を目の当たりにしながら、
人としての葛藤も、保育士としての葛藤も抱えながら、
それでも自分たちが「こどもたちのため」に在ることを刻み続け、
ぶつかりあい、分かち合い、寄り添い合いして、
「文化的」であることにこだわって、日々を生き抜いていく姿。
何度も涙におそわれた。
改めて保育の大切さ、有難さを思わずにいられない。
そして、
こどもたちに決してこんな時代を生きさせてはいけないと、思わずにいられない。