なべかれ

あの日のオルガンのなべかれのネタバレレビュー・内容・結末

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

保育園を疎開させる決断を下した東京・戸越保育園の保母たちと園児、その家族を描いたの実話を基にした物語。

第二次世界大戦中、疎開するのは小学校以上だけだったと思っていたが、未就学児も保育園で疎開していたと初めて知った。
作品では園児は20人くらいしかいなかったけど、実際は50人以上いて、物語よりはるかに大変だったのだろうなと思った

戦争映画では珍しく、登場人物がほとんど女性で彼女たちが持った苦悩や葛藤に親近感を覚えた。
戦争の物語に子どもが絡んでくるのは本当にしんどい

わざとなのか尺の関係なのか分からないけど、3.4つくらい、え?そこで終わる?みたいなシーンがあって気になった

撮影現場の雰囲気作りが相当良いのだろうなと思わせるほど、子役の演技が自然で良かった。

戸田恵梨香の演技が印象に残った。特に東京から帰ってきた時のシーンはパない。
デスノートとかの時代からかなりグインと方向転換した感じ。
よく知らないけどスカーレットに通じるところがあったのでは
可愛い系の戸田恵梨香よりサバサバ系の戸田恵梨香のほうが圧倒的に好き。

三浦透子と陽月華とココリコ田中の3人もめちゃめちゃよかったなぁ
陽月華は、ベルばら番外編を思い出した。

田中の、というか、所長の「今やってることが正しいか否かは、子どもたちが大人になってからしか分からない。だからずっと自分自身に問いかけ続けて行動するしか今はできない」っていう言葉が刺さった。で、エンドロールで保母と園児の交流が戦後もずっと続いてたっていうのがわかってなぜか観てる私が救われた。たぶんだけど、写真の笑顔から察するに保母さん自身も救われたのではないかなと思う

実力派俳優陣が固かっただけに、若手たち見ててしんどかった…
大原櫻子、役柄のせいかもしれないけど、ムカついた…
役のせいだな、うん
みんな同じように辛くて我慢して踏ん張らなければいけないときに、いくらなんでも甘ちゃんすぎないか?って思った
最後のみんなで泣くところも、みっちゃんの涙はかえでさんの涙とは次元が違う気がしてちょっと冷めた。

若干の不完全燃焼感はあるけど、疎開保育園を扱う数少ないお話だし、一回は観た方が良い作品だと思った。

長くなっちまった
なべかれ

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