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アダダのJeffreyのレビュー・感想・評価

アダダ(1987年製作の映画)
2.8
「アダダ」

冒頭、一九二〇年代。日本の統治下にある韓国の片田舎。地方の有力者の娘であり美しい女、聾唖の為、嫁の貰い手がない。両親の心配、多額の持参金、貧しい農家の男と結婚、下女扱い、手話、幼なじみの男、極貧。今、最も不幸な少女の波乱に満ちた生涯が映し出される…本作はケ・ヨンモクの原作をイム・グォンテク監督が一九八七年に監督した李氏朝鮮時代の儒教思想が色濃く残る社会背景の中を生きる聾唖の少女の過酷な運命を描いた人間ドラマで、この度VHSを購入して初鑑賞したが退屈。こちらもソフト化されてないのが残念である。と同時に「シバジ」も円盤化望む。どうやら本作は第四回東京国際映画祭アジア秀作映画週間出品作の様で、先日鑑賞した「波羅羯諦 ハラギャティ」の韓支壹も出演している。

さて、物語は一九二〇年代、日本の統治下にある韓国の片田舎。地方の有力者の娘である美しいアダダは、聾唖のため嫁の貰い手がなく、心配した両親は多額の持参金をつけ貧しい農家の男と結婚させてしまう。だが大金を手にした夫のヨンファンは、妾を囲い本妻であるアダダを下女のように扱い、ついにはアダダを実家に追い返してしまう。対面を重んじ出戻りを許されない父。実家へも戻れない彼女の前に現れたのは幼なじみで極貧のスリョンだった。やがて彼と暮らすようになり、蓄えも少しずつ増えていくが、しかし、スリョンもまた金の亡者えと変わっていくのだった…と簡単に説明するとこんな感じで、シン・ヘスの銀幕デビュー作品として知られているようで、日本では九十三年に劇場公開されている。やはり、グォンテクでは「曼荼羅」が凄いイメージがあるが、この作品も、数多くの映画祭を受賞しただけあって、よかった。

この作品冒頭の苦労を背景にしたクローズアップで手話がなされるのだが、それがすごいブレッソン的で、肉体的には健常で、精神的にも異常は無いと訴えかけている。韓国の衣装のチマチョゴリだっけ?すごくカラフルな衣装なんだなぁと思った。日本の着物やチャイナ服とはまた全然違う感じがあり、主人公の女優が着ている黄緑色をベースにしたその民族衣装に紅、琥珀色が混じりあって独特な美を放ってた。ベッドに横たわって日本語の勉強あいうえお言うシーンは印象的だ。てか、ここ最近の流行に乗ってパーマをかけろって言われて、彼女がパーマかけるんだけどすごい雰囲気が変わって最初別人かと思った。アダダが金を崖の上から海に捨てて、男が発狂して女を崖の下まで引きずり下ろして、金を拾えって海に突き落とすシーンとか強烈。そしてクライマックスは静止画と言う…。
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