半世界の落伍者のレビュー・感想・評価

田舎での何気ない、よくある機能不全家族にこそ、描くべきドラマは存在すると思った監督の熱意は素晴らしいし、田舎者としては地方にもスポットが当たることは大変有り難いが、偏屈さはそれなりでも、小綺麗で炭焼き職人にはどうしたって見えない稲垣吾郎からは、都会人から見た田舎の限界を感じた。長谷川博己の存在は不要だが、元々構想していた２本の企画を1つにまとめたのだと知り、合点がいく。馬鹿な男共どもはいつまでたっても半分しか世界を見ていないが、母親の池脇千鶴には全てが見えているというオチは痛快。