見習いサンタ

芳華-Youth-の見習いサンタのレビュー・感想・評価

芳華-Youth-(2017年製作の映画)
4.1
評判を聞きつけて鑑賞。
ほとんど、前情報なく観に行ったのですが、ひさびさにくらってしまいました。

まず、始まる前のオープニングクレジットから、これぞ中国という、見たことない音楽と映像が流れます。で、あれ、これってプロパガンダ作品的なものだったのかな…って気持ちが少々。(多分そうなのかもしれませんけど)

1970年終わり頃、中越戦争の直前の中国。舞台は文工団という歌と踊りで前線の兵士を鼓舞する役目を担った、若いダンサー、歌手、音楽家たち。彼らの集団生活と恋それと迫り来る戦争と思想の統制、その中での「青春」を描いた作品です。

1970年終わりという自分の生まれるちょっと前の中国でこんな世界が繰り広げられていたことにまず驚き。
そして、日本人から見たらおそらく。戦前の日本とか、今の北朝鮮とかとそんな変わらないのかも、と想像したり。

当時の中国はもちろん思想的にも統制されていたんですが。やっぱりそこにも青春ってのはあって、本当に今と同じことが起こる。
文工団の団員にも軍の幹部の子どもであることをハナにかけてる者、貧しい生活から抜け出すために文工団に入ってくるもの、模範的で犠牲を厭わない者。本当に様々。その中で恋もあり、イジメもあり、仲が良いように見えても軍の力からの保身をしてしまう者多くのものがいる。

それでもその時代を生きる若者たちには「青春」と世界への憧れがあって生活している。

そこから、この映画とんでも無いところに行きます。
怒涛のごとく流れる、プライベートライアンばりの戦争シーン、戦争の終結後の別れあり。彼らのその後の生活あり…。

個人的には「この世界の片隅に」の中国版かな、と思いました。

この映画を中国の人がどう見るのか、中国政府がどう思っているのか、世界ではどう受け止められるのか。本当に興味が湧く作品でした。

なお、監督と原作者は、文工団出身だとか。ほぼ実話なんじゃん!!

一番すごいのは、監督と原作者が文公団出身とのこと。

でも、中国以外の国の人たちは、この作品を見てどう思うのか。
最初のオープニングクレジット自体が、壮大なオチに使って。
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