ジョンソンR

ここは退屈迎えに来てのジョンソンRのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
4.0
郊外、もしくは田舎出身者には一定刺さるような内容であり、普遍的だと思う。

桐島、部活やめるってよの未来形であり、勝手に震えてろのパラレルな世界観。俳優の配置から、多分意識はしているのだろうけれど。

椎名という中心はあれど、だれも双方向には好意や関心を向けていない、独り善がりな状況を「東京と田舎」「過去と現在」「クラスのヒエラルキー」と様々なフレームから取り扱う。

その独善性はやがて自身にも跳ね返り、望まない環境であったり、もしくは他人からの評価であったり、言い訳できないシチュエーションを招いてしまう。

プールサイドに飛び込む幻想的な放課後のワンシーンを俯瞰して映り込む画面が、結局どいつもこいつもプールサイドという囲まれた枠、与えられた自由を享受しているにすぎないと皮肉めいている気がして良い。

結局のところ彼ら彼女らは消費者に過ぎず、生産者ではない。「ここは退屈、迎えにきて」と消費に縋り続けるだけでは、結局は何者にもなれないのだ。
オードリーの言葉は、そのどちらにも慰め慈しむことができる包容力があることは、また残酷で有難いのかもしれない。

個人的に、この舞台が富山であり、帰省のタイミングで見た事はなにかしらの意味を持つような気がする。

どうだっていい独り言だけれど、富山出身者の上京組ってなんだか胡散臭い背伸びしてるヤツが多いよな、と個人的に思ってる。