バン

ここは退屈迎えに来てのバンのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
3.5
原作は気になっていてそのうちと思ってるうちに映画化されてた。想像してたのとはかなり違っていたけど。

地方都市と言う名の日本の中途半端な田舎。撮影されたのは富山みたいだけど日本中どこにでもあってほとんど区別もつかない風景が広がる。当たり前だと言われそうだけど、そんな風景でも見る人の気持ちによっては大切な思い出の風景だったり美しく見えたりもする。そのための通過儀礼として東京(のような場所)が必要な人もかなりいるけど。
東京で働いているらしい妹が全く勝ち組に見えないところも良かった。彼女が家庭教師の部屋で見ていた写真集が森山大道っていうのも上手い。

時代設定がかなり絶妙。この話は彼らの年齢よりも彼らが育った時代感が一番のキモだと思う。日本の地方都市のいわゆるミレニアル世代の人たちの閉塞感が当時の世相を直接描くことなく伝わってくる。
バン

バン