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ここは退屈迎えに来てのzonomanのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
3.5
"私"とサツキが高校時代の憧れ・椎名くんに会いにいく一種のロードムービー。

と言っても、距離は数時間でいけちゃう場所な訳で、道中大きなハプニングが起こる訳でもないが、到着する迄に様々な回想シーンが繰り広げられながら物語は進んでいく。

時系列が頻繁に行き来し、登場人物の説明もぼぼない状況で進んでいく為、頭の中で整理しながら観ていかないといけないが、意外とどのキャラクターもしっかり描かれており、終盤になるに連れて、バラバラだったはずの時系列がパズルの様に綺麗にハマっていき、ラスト20分の椎名くんに繋がる。

田舎の閉塞感が丁寧に描かれており、引きや長回しのシーンは印象的なものが多かった。

誰だって憧れや過去への執着はあるが、そこから一歩踏み出す"あたし"や新保くんの様になりたい、そう思える作品です。
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