たく

予定は未定のたくのレビュー・感想・評価

予定は未定(2018年製作の映画)
3.4
独身のアラフォー女性がある偶然の出来事に運命を感じ、自分の女としての魅力を掛けてひとあがきをしようとする滑稽さを描く短編。日常あるあるな感じで結局大したことは起こらないけど、人生において無駄なことは一つもないって考えられるかどうかで世界の見え方が変わるんだね。

冒頭の会社の飲み会で、若い女子にセクハラまがいのちょっかいを出す上司に「自分も昔はそうだったのよ」という純子の心の声が聞こえる感じがリアル。彼女がその上司と不倫関係にある一方、おばから気に染まない見合いを薦められてて、人生をどう進めていいか分からず停滞してるところに、紙ヒコーキがもたらす運命的な予感にバッチリとメイクを決め込む。陸上選手としての挫折を引きずってた彼女が、停滞してた人生を進めることができるかっていうのが誰にでもありうること。

結局は何も起こらなくても、吹っ切れるきっかけになった紙ヒコーキはやっぱり運命だったのかなと。互いに「え?」「え?」って聞き返し合う演出がちょっとしつこかった。
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