No.2577
【シャマランからアリ・アスターへ"継承"された、トニ・コレット最強説】
「ミッドサマー」の監督、新鋭アリ・アスターの長編デビュー作です。
公開当時、監督32歳です。
要注目の映画会社「A24」の制作/配給です。
主演のトニ・コレットといえば、どうしてもM・ナイト・シャマラン監督の「シックス・センス」を思い出します。
あの時も大熱演でしたが、今作は、それをも上回る「超熱演」です。
その娘・チャーリー役のミリー・シャピロがまた怖い。
ホラー系の名作には名子役あり、と言われたりします。
「エクソシスト」のリンダ・ブレア、
「シックス・センス」のハーレイ・ジョエル・オスメントなど。
確かにそうですね。
そういえば、本作の一家は「グラハム家」です。
シャマラン監督作「サイン」での、メル・ギブソンの役名は「グラハム・ヘス」でした。
偶然でしょうか。
アスター監督とシャマラン監督との関係性や作品の類似性を探っていくと面白そうですね。
先日、Eテレの英語番組で、アスター監督がインタビューされていました。
その中で、日本映画の「怪談」(1965年/小林正樹監督)や、「鬼婆」(1964年/新藤兼人監督)などの影響を受けている、と語っていました。
そうすると、「ヴィジュアルで見せる怖さ」と「日本的な、精神的に追い詰める怖さ」とを融合させた作風を目指しているのかもしれません。
「霊」というのも、日本なら「霊魂」とか「幽霊」といったものになり、これは「不在の存在」として、とても重要な要素です。
「いない怖さ」とか「目に見えないけど、存在を感じる怖さ」、これこそが日本的な「恐怖≒畏怖」の表現ですね。