へレディタリー/継承の作品情報・感想・評価

「へレディタリー/継承」に投稿された感想・評価

Sskn

Ssknの感想・評価

4.8
正直、欠点を見つけるのが難しいです。ホラー映画の新境地を開拓した今年No,1の傑作です。
確かに話は地味ですし、閉鎖的な空間で起こる小さな家族の物語なのでスケールは決して大きくないです。
しかし、130分間途切れることのない緊張感、不快感、悪夢感は、画面の裏側にカメラマンやスタッフや監督がいる事実を忘れさせ、役者が役者であることを忘れさせ、映る部屋がセットであることを忘れさせます。まさに虚構と現実が渾然一体になり「もうやめてくれ」と何度も思わされました。
圧倒的な不快感と緊張感を持った作品で、正直二回目を観るのは苦痛なレベルです。普通ならこういう言い方は酷評だと思うんですが、この手のジャンルにおいてはむしろ賞賛に値することです。

「来る」を観て『出てくるもの、ショット、カメラワークに理由や意図が感じられない』という趣旨の批判をしましたが、へレディタリーに関しては真逆です。
この監督才能の化け物と言わざるを得ません。最初のワンカットでもうヤられます。
後に妻の部屋だと分かるミニチュアの並ぶアトリエをカメラが舐めるようにパンして、あるミニチュアの家の一角にズームしていく。すると、そのミニチュアの部屋の中には長男が寝ており、父親が入ってくる。!?!?ってなりました。どこにカットがあったのか全く分かりません。
今から起こる出来事の閉塞感、世界観の狭さを示し、ワンカットで虚構と現実が地続きになることで観客は映画そのものに対し、どこまでが作り物でどこからが現実なのかという判断をしづらくなるのです。

そして、敢えて言うならそれ以前にこの映画、普通のビスタビジョンよりあえて少し小さな画角で作られています。それにより、上下左右に少しだけ黒みがあり、額縁のようになっていることが分かります。
穿った見方ではありますが、こういう(おそらく)意図的な画角の選び方をすることで、先程から述べている閉塞感や箱庭感を観客に潜在的に植えつけているのだと思います。

結末に関して、苦言を述べている方や残念に思っている方がいるのは分かります。日本には馴染みがない文化なのでそれは仕方がないです。
ですが、二度目にこの映画を鑑賞すると、いかにこの結末に向けて伏線が張られていたか気づくことが出来るはずです。鳩の頭や、荒らされた墓、チャーリーの絵、祖母とのエピソード、蟻、ピーターが受けている授業の内容、全てがあの結末に綺麗に収束しているのは明らかで、あまりにも隙がなさすぎてウットリするレベルです。
この結末に納得がいかない人は、伏線に全く気づけていないか、単に文化的違いに戸惑い感情的に拒否しているだけだと思います。これはとてももったいないことだと思います。

あと、音楽も素晴らしいです。聴こえるか聴こえないかのレベルで鳴り続ける不穏な低音。Jホラー的なビックリ演出は最小限に、ここまで人をビビらせることができたのは音楽の力によるところが大きいはずです。

そしてなんといっても、この映画の主要人物であるグラハム家の4名が揃いも揃って名演すぎます。チャーリーの存在感、母の顔芸、リアクション、絶叫、ピーターの茫然自失の表情、無言のプレッシャーを一人抱えておりある瞬間決壊する人の良い父親、台詞ではなく表情や仕草の間で表現するという理想像だと思います。

唯一の欠点は、若干画面が白っぽくて細部に至るまでの細かい美術が見られないことです。Blu-rayが出たら家のテレビで画質を調整してより堪能したいと思います。

A24という映画会社は素晴らしいと思います。もっともっとこういうギッシリ魅力の詰まった緻密な映画を見せてほしいです。
やべえ映画観ちまったわ。

ホラーと同時に家族映画のような。
映画の中の、なんというか、気持ち悪いような、変な雰囲気(?)がすごくよかった。
素晴らしい......圧巻の終盤。ホラーとしての怖さもとんでもないが、映画演出や脅かしアイデアの博覧会としてもとても楽しめる。
スピカA

スピカAの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

これは禍々しい福音の物語です。そして精神的DVです。
家長であった母の遺した言葉「失ったものに絶望しないで 最後に価値が分かる」が全てを表していました。
グラハム家の犠牲によりペイモンは肉体を得て三位一体を拒絶するしかない人々に祝福をもたらしたのです。家族をミニチュアのように弄ぶ悪魔とその信者は禍々しく邪悪ですが最後のシーンはとても神聖でした。
まあ散々気持ち悪くて怖いものを見せられた後唐突に優しく神聖な雰囲気を叩きつけられてその落差と衝撃を愛だと勘違いするDV被害者の気持ちに近いような気もしますが笑
しかこ

しかこの感想・評価

3.9
やっと見れた。。
このオカルトかつホラーな感じ、何かこれ知ってる…思い出した、ゲットアウト見た後の感覚!!(っ ॑࿁ ॑c)
ほぼ予習なしで見たけど、ホラーかつグロテスク
婆ちゃんが何回も出てくるかと思ったらそんな甘いもんじゃなかったね。。
不思議な家族構成や精神病、ミニチュア、虫虫虫、、、首....とにかくぞぞぞ!!
でもなんか嫌いじゃない(っ ॑࿁ ॑c)
この報われない感じ、ちょっとあけてまたおかわりしたい(っ ॑࿁ ॑c)
自分では解釈し切れないので公式の解析ページを見て眠ることとします。。

///
アレックウォルフ、この顔タイプじゃないのに何故かとても印象的!今作で3回目だったんだけど、ますます忘れられない(っ ॑࿁ ॑c)
個人的に今年のパスタ食べてたバリーコーガンに並ぶくらいいい意味で不気味やつた。。

こないだ見たフィクサーは嘘つきのはじまり、と、鈴木家の嘘がちらついたりしたけど…そこは一筋縄でいきません。。
エンディングはおいおい勘弁してよってくらい、こんなんでなかったことになんか出来ないから😂😂でもこれはこれで最高😂😂
友人に誘われて仕事帰りに一緒に観賞。Filmarksの紹介にざっと目を通しただけで、予備知識などは一切なし。
観賞後、ひとりぼっちの暗い帰り道が怖くてめちゃくちゃ早足で帰りました。
家族で口論になるシーン等は、うちも一歩間違えばこんなんだったかみたいに思うような、他人事と思えない感じ。家族が次第に追い詰められていく様子の描きかたや演技が素晴らしく、怖く感じないように俯瞰で見るのが大変でした。
自分みたいにホラーが得意ではない方は、一人で見るのはオススメできません。
yourmuscle

yourmuscleの感想・評価

3.0
「YOU WIN!」

ヒドイ話だなぁ(褒め言葉)
でも長い
怪奇現象と物語展開の按配が微妙で、"物事"が進行してしまっている事が実感しにくい
ラストも個人的には蛇足だと思うが、それによって劇中で巻き起こる諸々の禍々しき出来事が決して不幸なものではないと思わせてくれるのはアリっちゃアリ
しかし、やはり恐ろしい映画ではなく、恐ろしい話の映画に着地してしまっているのが惜しい
アリ・アスターにもう少し勇気があれば本作は前者になり得ていたはずだ
三郎

三郎の感想・評価

4.0
心の奥で、特徴的な風貌の女の子への近寄りがたさを感じてしまった人は多いと思う。
そこにあのショッキングな映像。
嫌悪と恐怖が追い討ちをかけて襲ってきて、挙句の果てに見てる人の罪悪感を引きずらせるのに非常に効果的。

人間の繊細な負の感情にうま~くつけ込んで、針でチクチクチクチク刺して抉り出してくるような、本当にいちいちよく人の心理をついたホラー映画。

物静かで安定したお父さんガブリエル・バーンが唯一の癒しでした…。
Mi

Miの感想・評価

3.8
悪夢だった。本当に悪夢だった。
もう一度見たいとは思えない。

今まで見たホラーの中で割と一番怖い。
途中まですごく不快な気分になる良い映画なのに最後の方メチャメチャコメディじゃん残念
カルト映画なのかホラー映画なのかイマイチわからない
虫が嫌いな人は注意
>|