何もかもが究極的

美人が婚活してみたらの何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

美人が婚活してみたら(2018年製作の映画)
3.0
テレビのチャンネルを変えるかのように、自分の人生のドラマの模様替えをする。
自分が他人とは違って特別なものだと思いたい、
人間の性を描いている。
諦めがつかない、試行錯誤する、というのは、
それだけ見れば滑稽と言われがちだけど長い目で見れば進化の過程の些細な事に過ぎない。

恋愛は趣味や娯楽の一種と考えられがちだけど、結婚はそれが人生を左右するもので遊びの延長線ではないと急に目が覚め現実的にさせられる。
これまで現実的になる事が大人になる事で当たり前だと思われてきたが、この映画の主人公はその現実から逃げる事でアイデンティティを確立するに至る。女性は家庭に入り子供を育てる、女性に仕事はない、といった古い価値観ならそれは子供じみて見えるだろうが、
今は女性が社会進出している訳だし、冷静になって考えれば無理に結婚しなくてもいいんじゃないかという見方もできる。
子供を作る作らないも、別に作らなかったから悪いとか産むのが遅いから駄目というのも、もうないわけで。
ただその既存の古い価値観に振り回される人間は滑稽に見えるし、その気持ちを利用する男も前時代の名残でまた滑稽に見える。

結局、人間は自分の都合でしか生きられないんだなという監督がまだ若いというか大人になれない痛々しい印象を受ける。だが、その主張がどうだろうと時代に受け入れられ、映画になっているのは素晴らしい事だ。

また所々のシーンが長過ぎるので、余計なものを見せられたという印象を受ける。長回しシーンを得意とする監督だが、それを過信しすぎたのか、それを多用しすぎな感じがする。