ラブラドール

5時から7時までのクレオのラブラドールのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.4
1961年のフランスのモノクロ作品。冒頭部分は少しだけカラー映像になってます。

癌かもしれないクレオが、検査結果を医師から聞くまでの2時間、パリの街で過ごす姿が描かれています。
不安な気持ちの一方で、もし本当に自分が癌なら・・という気持ちでいつもとは違う視点や感情で街を見て人と接する有意義な時間を過ごしているように見えました。
寝て過ごすのも2時間、映画を観ても大体2時間、本作の彼女のように過ごすのも2時間。
色々な時間の使い方がありますが時間は有意義に使いたいものですね。

ストーリーは単調で、特に大きなイベントが起きる事もなく、淡々と時間は流れて行くため少し退屈です。
色んな人と会ったり、場所も変化するので同じシーンばかりではありませんが。

ただ、自分にとってはストーリーはともかく、もの凄くお洒落で心引かれる映像でした。
1961年のパリの街、人々の姿などがモノクロで。
自分が一番好きなフランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンが決定的瞬間としてパリの街でライカを片手に切り取ったストリートスナップの世界観。
写真集などを見ながらこの時代のパリに行ってみたかったとよく思っていましたが、まさにその世界がこの作品にはありました。
家でゆっくり過ごす時に音声はミュートして、映像だけ無音で流しておきたいようなお洒落な光景です。(アマプラで観ましたが、もう少しで配信終了なのでソースが欲しいところです。)
主演のクレオも綺麗ですし画になります。

ということで、自分としてはもっとスコアをあげたいところですが、ストーリーがイマイチのため色々な人にお勧めできる作品ではないと思い3.4にしました。
映像だけなら満点をつけてもいい映像お洒落作品です(^^)