ギョギョン

5時から7時までのクレオのギョギョンのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.8
『幸福』は、あんまり好きじゃなかった…だけど、この『クレオ』は好きだった。クレオは、歌手であり、女であり(言ってしまえば男にモテる女だろう)、子どもである。スタイルがよくってお洒落で美人だけどファニーフェイスの部類であり、気まぐれで考えるよりも先に行動するからかどこか幼さを感じるのだ。
男に困ってなさそうなのに、あんまり会いに来ない男を好きだったりするのは手に入れたという感触のなさからか、それとも自分を優先してくれないという寂しさからだろうかと思っていると、そのあと別れると言い出して、これも一時の恋に過ぎないのよと言わんばかり。やはり先の読めない女である。
最後のあたり、6時ごろに出会うアントワーヌ(とくに金持ちでもイケメンでもない植物大好き野郎)が言った、「若い女は愛されることを愛するだけ」という言葉に、真理だ!!!と思った私もまた若い女だと頷く。アントワーヌは出会ったばかりなのにクレオに献身的で、結局、クレオはアントワーヌといい感じになるし、結局、愛してくれる男が好きなんだなと思ったり。
ずっと自分が病気なんじゃないかと不安に思っていたクレオが癌だと宣告されたのになんかケロッとしていたのも、アントワーヌと出会ったからなのかと思ったり。一緒にいて安心できる人というのは素敵だなと実感した。でも、フランス映画は、やっぱり恋に振り回されないと!この『クレオ』も、ある意味振り回されていたけど、なんか、ジュテームが少なかったなあと。ある意味すっきりとしていて姿勢の良い感じだけどちょっとインパクトは薄かった。クレオのファッションは500点満点!ていうか買ったばかりの帽子、あげちゃうのね。