キシマ

詩季織々のキシマのレビュー・感想・評価

詩季織々(2018年製作の映画)
3.0
特に繋がりはない短編三部作。『秒速五センチメートル』のような雰囲気を感じました。どれも舞台が中国で、やはり日本の感覚とは少し違うかなーと、ぼんやり思います。中国が舞台ということすら知らずに見たからかもしれないけれど、どうもしっくり来ませんでした。

『陽だまりの朝食』は、ビーフンを見慣れていないせいもあるだろうけれど、そこまで美味しそうという感情が伝わってこなくて残念。ものによっては匂いが漂ってくるような作品もあるだけに、物足りなさがぬぐえませんでした。

『小さなファッションショー』は、そこまでオシャレに見えないのが残念。前衛的な服があるわけでもなく、かと言ってオシャレにも写らない。モデルが主人公ならもう少しパリッとした美しさが見たかったです。

『上海恋』に関しては『秒速五センチメートル』や『君の名は』をどことなく彷彿とさせる恋愛もの。監督は違うから関係ないのは分かりつつ、絵が同じと内容まで同じに感じてしまうのかも。

情景の美しさは感嘆の域だけれど、だからこそ人物の動きや表情の固さに目がついてしまって、最後までその点ばかり気になってしまいました。内容にしても今の私の心に響くことはなかったかなぁ。観たからといって、特に何か得ることも変わることもない、そんな作品でした。
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