ゴリ監督の人間賛歌。ハートフルでおおらかな佳い映画。洗骨という風習は全く知らなかったが、生き物としてのヒトの根源に立ち返り、観ている私たちも魂を洗われる気がした。
妻を亡くしてからの奥田瑛二の情けない父親ぶりに涙し、大事に思いながらもやりきれない息子筒井道隆の複雑な表情に共感。
Q太郎は異質な存在だが、外側の人間としての素直な代弁者。洗骨から以降のシーンは、自身の体験を思い出してかなり身体に力が入りました(笑)。信子おばさんの肚の座りっぷりが気持ちよい。
骨の一本一本を慈しむ洗骨の風習。命を繋いできたプリミティブな心身の感覚は失ってはならないと思う。
エンドロールとともに流れる唄に泣ける。
沖縄の唄はいつもおおらかでやさしい。