Hisa

パッドマン 5億人の女性を救った男のHisaのレビュー・感想・評価

3.8
いやー良い映画だった。ちょっと長いけど。

生理が穢れとして認知されているインド。
整理中の女性は家の中にも入れず、何もせず日を過ごさなければいけない。20世紀の話ですよ。
そこで妻が汚い布切れを使っているのに驚いた男が、工夫に工夫を重ねて自分で生理用品を作り出す。
なぜなら当時売られていたナプキンはとても高価だったから。
日用品である以上、貧しい女性が日常的にそんなものを買えるわけが無い。
しかし、妻も、母も、妹も、親戚も、村中から変態と罵られ、
そっぽをむかれ、ついには村で裁判にかけられ、離婚させられてしまう。
うーん、個人の生き方を、個人が決めることができないのだなあ。

しかし、ラクシュミは、良い夫なのか?
確かに彼は女性の体を心配しているけれど、あれほど生理用品を作ることにこだわるのは、彼自身の職人としての意地みたいなもの。
実際、何年もして、奥さんに電話して、奥さんがどうしているか聞かず、ひたすら自分の夢の話。(パッドのこと)。私ならここで別れるな。

インドに、生理用品を普及させた男。大変名誉だけど、パッドマン、って名前は笑える。

大きなことを成すためには、人に笑われても、どんなにみんなに理解されなくても、家族を失っても、やり通すことが大事。
ラクシュミには、100回くらい、諦めても良い瞬間があったけど、
挫けなかった。大人になった今だからこそ、この、挫けない、周りの意見に左右されない、ってことが、どんなに難しいか、わかるんだな。

そして、大金持ちになるチャンスがあったのに、それも蹴飛ばす。
なぜなら、自分が大金を受け取って、パッドが効果になったら、誰もそれを使わないから。
結果として彼は、インドに百万人の雇用を生み出した。
しかも女性の雇用を。これは大きい。

しかし、21世紀の傾向としては、エコロジーの視点から、
布ナプキンの利点が見直されてきてるんだが、まあ、それはそれ。
清潔を保つ意識と、生理が穢れでなく、女性が活動できるようにしたのも素晴らしい。

あと、後半の彼の言葉
「俺の英語はひどい。でもいいんだ。言葉なんて所詮タクシーだ。
僕の気持ちを、あなたに届けるための」
とても心に残った。
Hisa

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