橤

フード・インクの橤のレビュー・感想・評価

フード・インク(2008年製作の映画)
4.1
養豚家、養鶏家、養牛家がタブーとしてきた事実を暴露しているドキュメンタリー。アメリカ(肉産業大国)で、それをやってしまうとは…
私は元々小さい頃から食肉文化に疑問を持っており、また最近で言うと日本の酪農の実態を知り、メス牛への恐ろしい虐待の現実から大好きな乳製品を経つことにした。
そんな中この映画に出会った。衝撃的で忘れられないのは、家畜達のあの、悲しい眼の連続。鶏が捕まえられ、首を切られる直前の必死と鳴き叫ぶ尋常でない、けたたましい声と表情。それを見ていた別の鶏の、なんとも言えない呆気に取られている表情。。ペットに鳥を飼っている者としては涙が溢れました。
日々、残酷な人間からの接し方と環境で生きている。生きているというか、訳もわからず、時間を過ぎるのを過ごしている。
ギュウギュウに詰められた閉鎖空間に閉じめられて、中には倒れてその場で死んでいるものも沢山いて、それを拾って捨てていく養鶏家。
もっと自然に、理想的な形で育てる者の取材もあった。それでも殺すシーンは尋常では無かった。
今まで私達が食してきた生活は、この残虐から成り立ってきた。この成り立ちに自分自身らは全く関係無い、なんて言う人間はとんでもないエゴイストでは無いか?食物連鎖がどうたら、自然としての考えが有るのは当たり前だし、人間として生まれてしまったからには避けられない政治である。だけでも、少しでも家畜達が自然な形で、人間の利益や商業思想だけで無くて、タブーとして隠してまで行う同じ生物への醜い行いを改めてほしい。行動を起こしていきたい。
橤